日本に潰されたスイス時計が、たった50スイスフランのプラスチック時計で蘇った話。
1969年、セイコー Astronで世界初のクオーツ腕時計が発売された瞬間、スイス時計産業は崩壊が始まった。シェアは50%から10%へ、雇用は9万人から3万人へ、メーカーは1,600社から600社へ。1979年、スイス銀行団は瀕死の2大コングロマリットを日本企業へ売却するプランを作成する。
だが、招かれた経営コンサルタント、ニコラス・ハイエックは違った。彼は売却を蹴り、1983年に7,000円のプラスチック時計「Swatch」を発売、初年度100万本、翌年400万本。1985年にSMHを統合してCEOとなり、同時にオメガ・ロンジン・ティソを高級ブランドとして再構築する。日常はSwatch、特別な日はオメガ。底辺で量を取り、頂点で価値を独占するピラミッド戦略。
本数では今も日本が王者。だがスイスの時計輸出は年間3.7兆円、世界市場の半分以上を独占している。
数で負けても、価値で勝つ。
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