ユーロ高は本当に正しく評価されているのか。欧州視察でイタリアからドイツまで
実際に見て回った体験から、市場が見落としているユーロ高の死角を整理します。
そして6月末にPalantirが発表したNVIDIAモデルを使った米国政府向け展開が
示すものとは何か。為替もAI投資も、実は同じ問いに行き着きます。
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✦ 主なトピック ✦
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✦ なぜ今ユーロ高に違和感があるのか──基軸通貨ドルよりなぜユーロが高いのか
✦ 欧州視察で見えたこと──猛暑・空調・通信・電力インフラの現実
✦ CO2排出削減偏重の代償──「止める政策」には強いが「耐える実装」が遅れている
✦ デジタル主権の落とし穴──米国企業を排除すれば主権が守れるのか
✦ PalantirのCEOが語った問題提起──AIを使うとは自社の価値を差し出すことなのか
✦ 6月末のPalantir×NVIDIA発表が示すもの──AIはモデル性能競争から実行基盤競争へ
✦ 為替もAI投資も同じ問い──価格が映しているものと隠しているものを分けて見る
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🔑 重要ポイント
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✅ ユーロ円185円前後・ドル円162円前後という足元の水準は、欧州の制度や歴史への信用プレミアムが上乗せされている。しかし欧州視察で見えたのは、猛暑への空調対応・通信インフラ・電力供給など現場の実態がそのプレミアムに見合っていないという現実だった
✅ 欧州はCO2排出削減・EV移行・データ主権など「止める方向」の政策設計には強い。しかし気温上昇・電力需要増加・建物改修・都市インフラ整備など「変化した現実に耐える」ための投資は明らかに遅れており、その社会的コストはどこかに必ず出てくる
✅ デジタル主権の本質は米国企業を排除することではない。データを誰が持つのか、モデルの重みを誰が支配するのか、業務権限はどう管理されるのか、実行結果を後から監査できるのか──これらを自分たちで制御できて初めて主権が守られる
✅ PalantirのカープCEOが警告するのは、企業がAIを使っているつもりで実は自社のデータ・業務プロセス・判断ノウハウを外部モデルの改善に差し出してしまっているリスク。AIの価値はモデル単体ではなく、モデル・アプリケーション層・計算基盤の3つが揃って初めて生まれる
✅ 6月末のPalantir×NVIDIA発表は単なるAI導入ニュースではない。AIがモデル性能の競争から、データ・モデル・計算基盤・権限・監査・業務実行を統合する実行基盤の競争へ移ったことを示すシグナルとして見るべき
✅ 為替もAI投資も問いは同じ。価格が映しているものと価格が隠しているものを分けて見ること。ユーロ高が映す制度信用プレミアムも、AI株が映す期待も、現実世界で実際に動く力と照らし合わせて見る必要がある
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📖 用語解説
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制度信用プレミアム – 通貨や資産の価格に上乗せされる、その国・地域の法制度・歴史・社会制度への信頼に基づく評価の上乗せ分。ユーロの場合、欧州の長い歴史・環境政策・社会制度への信頼がドルに対する強さの一因となっている。
オントロジー – Palantirが構築する、企業や政府の業務・データ・権限・意思決定をAIが扱える形に整理するための意味の層。単なるデータベースではなく、どのデータが何の業務に関係し、誰が使い、どこまで実行していいのかを定義する「業務の地図」。
AIエージェント – 単に質問に答えるだけでなく、文脈を読み・ツールを使い・作業を進め・結果を確認しながら自律的に業務を担うAIの形態。現実の業務に入り込むためには、賢いモデルだけでなくデータ管理・権限設定・監査の仕組みを含めた実行基盤が必要になる。
デジタル主権 – 国家や企業が自国・自社のデータ・システム・AI基盤を外国企業や外部勢力に依存せず自ら制御できる状態。企業の国籍だけでは決まらず、データの保存場所・モデルの制御権・計算基盤の管理まで含めて考える必要がある。
アセットアロケーション – 株式・債券・通貨・不動産など複数の資産クラスにどう資金を配分するかの戦略。為替の動向やAI投資の評価軸の変化は、アセットアロケーションの判断にも直結する。
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⏱ タイムスタンプ
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0:00 オープニング・今回のテーマ
0:40 なぜ欧州視察に行ったのか
1:04 ユーロ高への違和感──なぜドルよりユーロが強いのか
2:11 欧州視察で見えた現実──猛暑・空調・通信インフラ
3:30 欧州は「止める政策」には強いが「耐える実装」が遅れている
4:35 CO2排出削減偏重の代償
6:34 デジタル主権の落とし穴──米国企業を排除すれば主権が守れるのか
9:24 PalantirのカープCEOが語った問題提起
12:00 AIを使うとは自社の価値を差し出すことなのか
14:29 6月末のPalantir×NVIDIA発表が示すもの
17:00 NVIDIAとPalantirは同じAI革命の別々の層を抑えに行っている
18:14 為替もAI投資も同じ問い──価格が映すものと隠すものを分けて見る
20:01 まとめ──これからのAI投資とアセットアロケーション
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当動画は2026年7月7日に収録しています。
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パランティアの「AI時代における組織の主権(ソブリンティ)」を読むと、AIモデル企業による情報搾取の懸念、組織運営の脆弱性を感じざるを得ない内容でした。日本政府もやっと導入を進めているようですが、早くこの概念が社会に浸透しなければAI時代の競争に太刀打ちできないと感じています。
今回もありがとうございます!
アメリカは建国250年ですが、開拓者、移民らのフロンティアスピリッツが現代資本主義社会のアントレプレナーシップとして今も燃焼し続け、それが実装力になっている気がします。ヨーロッパはギリシャ哲学よろしく理念、基礎研究は強い。
大島さん、いつも鋭い考察をありがとうございます。今回も「理念」と「実装」という視点から、非常に深く考えさせられました。
大島さんの動画はいつも本質的で示唆に富みますが、ただ称賛するだけなのもつまらないので、動画の内容について、あえて少し批判的な視点からコメントさせて頂きます。
大島さんが仰る「米国技術を使いこなす制御能力」は、「そのプラットフォームの仕様や設計思想が、万が一にも自国の利益と決定的に相反した時」に、本当に機能するものなのでしょうか。
米国企業のAIは、あくまで米国発の価値観や法体系、あるいは地政学的な文脈の下で最適化されてしまうと考えています。それをそのまま重要インフラに組み込むことは、どれほど「制御層」を厚くしても、究極的には「相手の土俵で相撲を取る」という構造的な非対称性を残すように思えてなりません。
欧州の「遅れ」を「理念の未実装」と切って捨てるのではなく、「米国ルールへの適応を拒むことによって、将来的な『技術的従属』からの脱却を模索している」と解釈することはできないでしょうか。当然、それができる力が欧州にあるかは甚だ疑問が残りますので私も米国の実装力は不可欠だと感じております。
また、米国型の「実装優先(=消費・投資拡大)」モデルは、多額の債務や資源消費を前提としています。欧州が掲げる「理念(=ブレーキ)」は、行き過ぎた消費を抑制する一種の生存戦略とも捉えられるのではないでしょうか。
また次回も楽しみにしております。
大島さん、今回も大変勉強になりました。改めて、実装力と言えばやはり米国なのだと感じました。欧州は正しいが遅い、そう思います。
パランティアも、強すぎるからこそ排除や警戒の対象になるのだと思います。ただ、オントロジーのような仕組みは、これからの企業AIや政府AIには不可欠だと感じました。
世界が正しさ由来で国産AI開発の流れになっていくにせよ、パランティアの米国や同盟国との結びつきの深まりに注目していきたいです。
今回も思考の整理になる動画をありがとうございました。次回も楽しみにしております。