解説 内田稔教授
1993年、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、一貫して市場部門に在籍。 2011年より外国為替のチーフアナリストとしてハウスビュー策定を統括。金融専門誌J-Moneyの東京外国為替市場調査アナリスト個人ランキングにて 2013年から2021年まで9年連続第1位。2022年4月より高千穂大学教員に転職。
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Q1: アメリカのイラン攻撃は、いつ、どのような状況で行われましたか?
A1: アメリカは2025年6月21日にイランの核施設3箇所に対して攻撃を行いました。これは、トランプ大統領が2週間以内に攻撃を判断すると発言した後に行われたものです。攻撃は体制転換を意図するものではないとされていますが、和平に応じない場合はさらなる攻撃に直面すると警告されており、緊張状態は続いています。
Q2: イランへの攻撃後、原油価格とドル相場にはどのような変化が見られましたか?
A2: イランへの攻撃後、中東の地政学的リスクが高まり、原油価格(WTI原油先物相場)は上昇し、それに連動してドルも高値になりました。これは、原油価格の上昇が輸出国の貿易収支改善につながり、ドルに上昇圧力を加えるためです。
Q3: 原油価格の上昇は、産油国と輸入国にそれぞれどのような影響を与えますか?
A3: 産油国(アメリカなど)にとっては、原油価格の上昇は輸出額の増加につながり、貿易赤字の縮小や貿易収支の改善を通じてドル高の要因となります。一方、輸入国(日本など)にとっては、原油価格の上昇は支払い額の増加を意味し、通貨安の圧力となります。ただし、輸入インフレが進み利上げ観測が高まる場合は、通貨安に一定の歯止めがかかる可能性もあります。
Q4: ドル指数とは何ですか?また、構成通貨と原油価格上昇との関連性はありますか?
A4: ドル指数は、ユーロ、円、ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの6通貨に対するアメリカドルの動きを示す指標です。これらの6カ国は全て原油を輸入しているため、基本的に原油価格の上昇はドル高となり、他の通貨は安くなる傾向にあります。
Q5: 今後のドル円相場のポイントは何ですか?
A5: 今後のドル円相場は、原油価格の動向に大きく左右されると予想されます。戦闘の長期化やホルムズ海峡での緊張拡大などにより原油価格が上昇すれば、ドル円は直近高値を更新し、底堅く推移する可能性があります。一方で、事態が早期収束に向かい原油価格が反落すれば、ドル円も一時的に下落する可能性があります。
Q6: ホルムズ海峡はなぜ重要なのでしょうか?
A6: ホルムズ海峡は、イランとペルシャ湾、オマーン湾の間にある狭い海峡です。日本の原油輸入量の9割以上、世界の貿易量の約3割がここを通過すると言われているため、この海峡での緊張が高まると、世界のエネルギー供給や貿易に大きな影響を与える可能性があります。過去にはイランが封鎖を言及したり、航行妨害や威嚇行為が行われたりしたこともあります。
Q7: リスク回避のための円買いは期待できますか?
A7: 究極のリスク回避はポジションクローズであり、現在の先物市場では円の買いポジションが過去最大規模に積み上がっています。そのため、中東の地政学リスクが高まった場合、これらの円ロングが取り崩されることで、むしろ円安方向に作用する可能性が非常に高いと考えられます。これは、貿易収支の関連性と合わせて円安を促進する要因となり得ます。
Q8: 直近のドル円高値の要因は何でしたか?
A8: 直近のドル円高値(146円30銭近く)は、5月下旬にアメリカの国際貿易裁判所がトランプ減税を違憲とみなし、差し止め判決を出した際に記録されました。また、5月上旬には米中が暫定合意に至った際に148円台後半までドル高円安が進みました。今回は、原油相場と連動してドル円が堅調に推移する可能性が高いと見られています。
ポリマーケットでは年末までホルムズ海峡封鎖確率が52%と急上昇してます。
緊急動画ありがとうございます。やはりアメリカやっちゃいましたね。日本は原油高によるコストプッシュインフレの波に襲われ、関税の行方も不明なまま今週は不安な1週間になりそうです。
本日の米国対応の件、このタイミングで複雑に絡み合う為替の底流を整理させて頂き本当に感謝しております。先生の授業を社会人として受ける機会があればぜひ参加したいと常々切望しております。今後もご指導の程、お願い申し上げます。
ご多忙中いつもありがとうございます。
マーケットの方向感がとても分かりやすく助かっています。
相変わらず自分勝手の軍事行動。米国債の買い手が減っていくのは間違いない。
配信ありがとうございます。
4:29 AIによればカナダについては以下のとおり。カナダは世界有数の原油生産国であり、基本的には原油の純輸出国です。特に西部のアルバータ州を中心にオイルサンドからの生産が盛んで、2024年の原油生産量は日量580万バレルに達しました。ただし、カナダは一部の石油製品や軽質原油を米国などから輸入しており、国内の製油所の仕様や地理的な要因から、輸出と輸入の両方を行っています。たとえば、東部の製油所では近隣の米国からの輸入原油を使用することもあります。つまり、カナダは「原油輸入国」ではあるものの、輸出量が輸入量を大きく上回るため、全体としてはエネルギー輸出国と位置づけられます。ちなみに、カナダの原油輸出の約85%はパイプラインを通じて米国に向けられており、近年はアジア市場への輸出ルートの多様化も進められています。
タイムリーな配信ありがとうございます!
過去最大の円ロングポジが徐々に減少トレンドになっているようですので原油価格上昇が続けば円ロングポジの解消も加速しそうですね。