アメリカ🇺🇸は、1898年にスペイン🇪🇸からフィリピンの領有権を買収すると、それまで貿易決済に使われていたメキシコ・ドルを一掃するため、1903年から独自のフィリピン・ペソ貿易銀貨を発行します。 鋳造はフィラデルフィアやサンフランシスコで行われました。
フィリピンの1ペソ銀貨は、1903年から1906年までは世界の貿易銀貨と同サイズの大型1ペソ銀貨(量目26.9 g、銀含有率90%)でしたが、金銀比価により1907年から1912年まで、銀の量目を減らした1ペソ銀貨(量目19.6 g、銀含有率80%)が発行されています。
※ 純金と純銀の同一価格での質量比を、金銀比価(Gold silver ratio)という。
1ペソ銀貨のデザインは次のとおりである。
《表面》
「ONE PESO」「FILIPINAS」自由の女性像、右手はハンマーを金床の上に打ち下ろし、左手はオリーブの葉を持つ立像。背景はマニラ北西にあるマヨン山(Mayon Volcano)。
※ マヨン山(Mayon Volcano)は、ルソン島南部のビコル地方、アルバイ州(Albay)にあり、レガスピ市(Legazpi)の北西15kmの平野部にそびえる高さ2,462mの成層火山。一帯はマヨン山国立公園に指定されています。
《裏面》
「UNITED STATES OF AMERICA」「1903」 13枚の葉のついたオリーブの枝と13本の矢をそれぞれの足に握った白頭鷲と、13の星と13本の縦縞(たてじま)の盾。
《アメリカ領フィリピン》
【1ペソ(PESO)銀貨】
スペック(仕様)は次のとおり。
・直径:減量前(1903年〜1906年) 38mm
・量目:減量前(1903年〜1906年)26.9 g
・品位:減量前(1903年〜1906年)銀90%
本銀貨の実測結果は次のとおり。
○ 1903年(明治36年)
・直径:
・厚み:
・量目:26.840g
※本銀貨は初年発行の稀少な貿易銀貨である。



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