東南アジアの玄関口シンガポール。広がる人材交流とPR戦略についてです。
【宮下知事】
「NUSブラザーズ」
アジアトップクラスの「NUS=シンガポール国立大学」と青森県むつ市との関係は、さかのぼること6年前。
地域の未来を担う若い世代を育てたいという、双方の思いが合致したことがきっかけとなり交流が始まりました。
その翌年からは、むつ下北地域のグローバル化とその担い手の育成を目的にした、「あおもりグローバルアドバンスプロジェクト=AGAP」がスタートしました。
【茶道部による ウェルカムティー】
「薄茶一服差し上げます」
2024年度からは青森県も加わり、県内の短期留学がより充実したものになりました。
学生たちは、県内の生産現場で3週間ほど体験・交流をし、帰国後およそ3カ月間にわたるインターンシップを通じ、企業と協力して販売促進についての戦略を考えました。
【学生のプレゼンテーション】
「私たちは、お客様のためにプランをカスタマイズできるエクセルシートを作りました」「え!?」
留学生たちのプレゼンに、山本市長のメモも進みます。
【学生のプレゼンテーション】
「目をひくパッケージデザインを採用することを考えました。例えば、牛の顔のデザイン」
アイデアを元にした商品は、実際にインターネット上で販売されました。
【学生のプレゼンテーション】
「これまでに、なんとお客様から4件のご注文をいただきました」
(拍手)
そうした中、2023年度のAGAP参加者、ムー・ユーチェンさんがある決断をしました。それは、むつ市への移住、そして就職です。
【AGAP2023に参加 ムー・ユーチェンさん】
「2023年に青森・むつ市に訪れた時、私は人生の中で非常に落ち込んでいた時期を過ごしていました」
古里、中国に住む祖父の他界や、学業不振に苦しんでいたムーさんに、笑顔をもたらしたのが青森でした。
【(当時NUS4年)ムー・ユーチェンさん】
「私は大吉!(拍手)」
【AGAP2023に参加 ムー・ユーチェンさん】
「青森の美しい自然、あたたかい人々、そして穏やかな雰囲気の中で初めて、あたかも私に居場所を与えてくれているようだと心から感じることができました。心のよりどころを見つけた特別な経験でした」
そして、生まれた思いとは。
【AGAP2023に参加 ムー・ユーチェンさん】
「深い感謝の気持ちを抱くようになりました。何か恩返しがしたいと、強く思うようになりました」
「青森・むつ市の観光産業に貢献し、より多くの人々にとって特別な場所になるよう、私の経験とスキルを生かして努力していきたい」
ムーさんは、4月からむつ市で暮らしながら、インバウンドの受け入れなどに取り組みます。
AGAP参加者のむつ市、そして青森県内への就職は初めてです。
【むつ市 山本知也市長】
「私たちからも、ぜひシンガポールに恩返しさせていただきたいと思いますので、そういった関係性を今後もつないでいけるように取り組んでまいります」
こうした人材交流と同時に、特産品の積極的な販路拡大も進められています。
【宮下知事】
「非常に多くの皆さんに来ていただきましたし、またここから新しい商売がスタートするような機運も感じています
県は、大使公邸で開いたレセプションで、石川浩司大使といった大使館関係者や地元のインフルエンサーなど70人ほどに、これから特に力を入れたい特産品をPRしました。
【地元のインフルエンサー】
「リンゴはとてもおいしいし、海鮮も新鮮で、興味が湧いて一度青森県に行ってみたいと思ったわ」
一方、むつ市は市のPRイベントのために、50キロのマグロを空輸で運び込みました。
【マグロ解体の実演】
(歓声・拍手)
【参加者】
「おいしい!」
「ありがとう!」
「おいしいです、もっと(日本酒を)飲みたいです」
【むつ市 山本知也市長】
「皆楽しそうで何よりですね」
むつ市は2018年から、シンガポールでの販路拡大に力を入れています。
【むつ市 山本知也市長】
「むつのナマコ5000ドル、60万円」
「すごくないですか!」
【現地の担当者】
「青森県のは良いナマコだと思います」
【むつ市 山本知也市長】
「ぜひ、これからもお取引いただければと思います」
市場を視察した山本市長は、確かな手応えを感じていました。
【むつ市 山本知也市長】
「去年はナマコと言いましたけれども、次は貝柱、あとはアワビ、これにチャレンジできれば、国内のマーケットは縮小していますけれども、世界に飛び出せば、たくさんむつ市の良いものをPRできるのではないかなと思います」
「挑戦すれば何か起きる、挑戦しないものには成功はない。これからもチャレンジして、世界に名が売れるようなむつ市にしていきたい」
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